One health -医学と獣医学の融合 –
2012年、米国の心臓専門医であるバーバラ・ホロウイッツ先生の「人間と動物を一緒にみる」という本が発表され、大きな話題を呼びました。いわゆる、one healthの概念が大きく認知されるきっかけとなりました。この本は2014年に日本語訳が発行されました。私自身もこの本を読んで、ヒトの病気と動物の病気の共通性を改めて学びました。また2014年にはWHOから耐性菌の発生を抑えるための抗生剤の適正使用が勧告され、2016年に日本でも2020年までに抗生剤の使用を3割減らす目標があげられました。これを受けて厚生労働省、農水省が合同で耐性菌の抑制のシンポジウムが企画されるまでになっています。まさにone health、医学と獣医学の融合です。
私自身、専門は外科学です。特に最先端のがん治療を研究しています。2010年より、千葉大医学部田村先生と共同で開発したインドシアニングリーン修飾リポソーム(ICG-Lipo)と光を用いたがん治療は、現在多くの開業獣医師に使用していただいています。この治療が将来的に人医療につながればとの思いです。
治療前 治療後3か月
上記は猫のリンパ腫で、ICG-Lipoと光を用いて治療し、完解になった症例です。